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技術紹介 2026.08.31
サーモバリアフィットとは?設備・配管・ダクトにも対応できる遮熱シートを紹介
工場設備からの「暑さ」は、空調だけでは解決しないことがあります

工場や製造現場では、溶解炉や乾燥炉、ボイラー、配管などの高温設備から放射される熱によって、作業環境が厳しくなることがあります。
このような環境では、
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設備の近くに行くと強い熱を感じる
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エアコンを稼働させても作業エリアが十分に涼しくならない
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空調費が増加している
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夏場の作業負担を少しでも軽減したい
といった課題を抱える企業も少なくありません。
こうした場合、空調設備を増設したり設定温度を下げたりする方法もありますが、設備から放射される熱そのものが改善されなければ、十分な効果が得られないケースがあります。
そこで活用されているのが、設備や配管などから放射される輻射熱(ふくしゃねつ)に着目した遮熱シート「サーモバリアフィット」です。
この記事では、サーモバリアフィットの特徴や活用場所、製品仕様、試験データなどをもとに、設備の暑さ対策としてどのような場面で活用できるのかを解説します。
サーモバリアフィットとは
サーモバリアフィットは、高温設備から放射される輻射熱の低減を目的として開発された遮熱シートです。
乾燥炉や溶解炉、ボイラー、配管、ダクトなど、さまざまな設備へ施工できるよう設計されており、設備の形状に合わせて加工・施工しやすいことが特徴です。
一般的な断熱材は熱の伝わり方の一つである伝導熱を抑えることを目的としています。
一方、サーモバリアフィットは、高純度アルミ箔を採用することで輻射熱の伝達を抑えることを目的とした製品です。
そのため、設備の近くで「熱気を感じる」「作業者への熱負荷が大きい」といった環境の改善に活用されています。
輻射熱とは
熱は主に次の3つの方法で伝わります。
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伝導:物体から物体へ直接伝わる熱
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対流:空気や液体の流れによって伝わる熱
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輻射(放射):赤外線などの電磁波によって伝わる熱
例えば、ストーブの前に立つと離れていても暖かさを感じます。
これは空気が暖かいからではなく、ストーブから放射される輻射熱を受けているためです。
工場設備でも同様に、高温設備から放射される輻射熱が周囲へ広がり、作業環境へ影響を与えます。
そのため、空調設備だけでは十分に改善しにくいケースがあります。
従来の暑さ対策だけでは解決しにくい理由
設備周辺の暑さ対策として、
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スポットクーラー
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工場用扇風機
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空調設備の増設
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断熱材の追加
などが採用されることがあります。
これらは有効な対策ですが、設備から放射される輻射熱そのものが大きい場合は、十分な改善につながらないこともあります。
例えば、スポットクーラーは作業者へ冷風を送ることはできますが、高温設備から放射される熱は継続して周囲へ伝わります。
また、空調設備を増設しても、その熱負荷が大きければ電力消費が増える可能性があります。
そのため、設備周辺の暑さ対策では、
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熱源から放射される熱
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空調による冷却
の両方を考慮することが重要です。
サーモバリアフィットは、設備から放射される輻射熱の低減を目的としているため、こうした対策の一つとして活用されています。
サーモバリアフィットの特徴
サーモバリアフィットには、設備への施工を想定したさまざまな特徴があります。
高純度アルミ箔による輻射熱対策
サーモバリアフィットには、高純度アルミ箔(純度99.35%)が採用されています。
メーカー公表値では、**熱反射率約97%、放射率約3%**とされており、設備から放射される輻射熱の伝達を抑えることを目的とした設計です。
なお、実際の効果は設備の温度や設置環境、施工方法などによって異なります。
約0.2mmの薄型設計
厚さは約0.17〜0.20mmと非常に薄く、設備や配管、ダクトなどの限られたスペースにも施工しやすい仕様となっています。
既設設備への後施工にも対応しやすく、設備更新を伴わずに導入できるケースがあります。
加工性に優れている
ガラスクロスを基材としているため、
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ハトメ加工
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縫製加工
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カーテン加工
などにも対応できます。
設備の点検やメンテナンスが必要な場所でも、用途に応じた施工方法を選択できます。
サーモバリアシリーズとの違い
サーモバリアには用途に応じて複数の製品があります。どの製品が適しているかは、熱の発生源や施工対象によって異なります。
サーモバリアフィットは、設備や配管などから放射される輻射熱対策に適した製品です。一方、建物の屋根や壁などには、専用の製品が採用されるケースがあります。
・薄型で加工しやすく、設備形状に合わせた施工が可能
サーモバリアトップ:屋根・外壁
・建物の遮熱対策向け
サーモバリアエアー:屋根・壁・天井
・空気層を設ける施工対応
サーモバリアスリ:リフォーム・省スペース施工
・限られたスペースにも施工しやすい
施工対象によって最適な製品は異なるため、導入前には現場の状況を確認したうえで選定することが重要です。
サーモバリアフィットはどのような設備に使用できる?
サーモバリアフィットは、高温設備から放射される輻射熱対策として、さまざまな設備で活用されています。
主な施工対象は次のとおりです。
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溶解炉
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焼成炉
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乾燥炉
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ボイラー
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蒸気配管
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温水配管
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ダクト
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熱交換器
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コンプレッサー
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その他高温設備
設備の形状に合わせて加工できるため、断熱材の施工が難しい場所にも対応できる場合があります。
工場・製造業
製造工場では、高温設備から放射される熱によって、設備周辺の作業環境が厳しくなることがあります。
例えば、
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鋳造工場
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金属加工工場
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食品工場
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化学工場
などでは、高温設備周辺の暑さ対策として導入されるケースがあります。
配管・ダクト
蒸気配管や排気ダクトなども、運転中は高温になる場合があります。
配管全体から放射される熱が室内へ広がることで、空調負荷の増加や作業環境への影響につながることがあります。
サーモバリアフィットは柔軟性があるため、こうした設備にも施工しやすい点が特徴です。
ボイラー・熱交換器
ボイラーや熱交換器などは、設備本体だけでなく周辺へも熱を放射しています。
設備更新を行わずに暑さ対策を検討したい場合、遮熱シートを活用することで輻射熱対策の一つとなる場合があります。
サーモバリアフィットの製品仕様
サーモバリアフィットは、設備への施工性と輻射熱対策の両立を目的として設計された遮熱シートです。
以下はメーカー公表の主な仕様です。
製品名:サーモバリアフィット
構造:アルミ箔・ガラスクロス・アルミ箔
厚さ:約0.17~0.20mm
幅:1,200mm
長さ:40m/巻
重量:約202g/㎡
アルミ純度:99.35%
熱反射率:約97%(メーカー公表値)
放射率:約3%(メーカー公表値)
使用温度:約-30~210℃
加工:縫製・ハトメ加工・カーテン加工対応
不燃認定:国土交通大臣認定 不燃材料
※仕様は製品改良などにより変更される場合があります。最新情報はメーカー資料をご確認ください。
製品仕様から分かるポイント
製品仕様を見ると、サーモバリアフィットは設備施工を想定した製品であることが分かります。
例えば、約0.2mmという薄さは、設備周辺の限られたスペースでも施工しやすいよう配慮された仕様です。
また、ガラスクロスを基材としているため、設備形状に合わせた加工や着脱式の施工方法にも対応できます。
さらに、高純度アルミ箔を採用していることから、メーカーでは熱反射率約97%、放射率約3%という性能が公表されています。これは、設備から放射される輻射熱の伝達を抑えることを目的とした設計です。
一方で、実際の効果は設備の温度や設置環境、施工方法などによって異なるため、導入前には現地調査を行い、適切な施工方法を検討することが重要です。
サーモバリアフィットの試験データ・導入事例
サーモバリアフィットは、メーカーによる性能試験や施工事例が公開されています。
ここでは、一般的な効果として断定するのではなく、試験結果や導入事例として紹介します。
静岡大学の試験では輻射熱の低減を確認
メーカーが公開している資料では、静岡大学(中山顕教授)の試験において、サーモバリアフィットを設置した場合の輻射熱の変化が検証されています。
試験では、鉄板を加熱した条件下で測定が行われ、鉄板表面温度が105℃・145℃・198℃の場合、それぞれサーモバリアフィットを設置することで、受ける輻射熱が約1/3まで低減したと報告されています。
この試験結果は、特定の試験条件下で得られたデータであり、実際の現場で得られる効果は設備の温度や設置環境、施工方法などによって異なります。
耐熱性試験も実施されている
メーカー資料では、一般財団法人カケンテストセンターによる耐熱試験も公開されています。
この試験では、210℃の環境で24時間保持した後も外観上の異常は確認されなかったと報告されています。
ただし、この結果は耐熱試験の結果であり、使用環境によって条件が異なるため、施工時にはメーカーが定める使用温度や施工条件を確認することが重要です。
導入事例では設備周辺環境の改善が報告されている
メーカーでは、キューポラ(溶解炉)への施工事例も紹介されています。
この事例では、
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設備周辺の輻射熱が低減したこと
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設備周辺の表面温度が改善したこと
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溶解量が約13%増加したこと
などが報告されています。
これらは特定の設備・施工条件における事例であり、すべての現場で同様の結果が得られることを示すものではありません。
導入効果は、設備の種類や運転条件、施工範囲などによって異なります。
サーモバリアフィット導入前に確認したいポイント
サーモバリアフィットは、さまざまな設備へ施工できる遮熱シートですが、導入前には現場の状況を確認することが重要です。
設備の温度
設備によって表面温度は大きく異なります。
使用温度の範囲内で施工できるかどうかを確認するためにも、施工前の現地調査が重要です。
施工スペース
設備の周囲に十分な施工スペースがあるかどうかも確認が必要です。
狭い場所では施工方法を工夫する場合があるため、現場に応じた施工計画を立てます。
メンテナンス性
設備によっては定期的な点検や部品交換が必要になります。
そのため、施工後のメンテナンス性も考慮しながら、着脱可能なカバーやカーテン状の施工など、設備に合わせた方法を選択することがあります。
現地調査で最適な施工方法を検討する
設備の種類や設置環境は現場ごとに異なるため、最適な施工方法も一律ではありません。
メタルテック飯田では、現地調査を通じて設備の温度や設置状況、施工スペースなどを確認し、それぞれの現場に適した施工方法をご提案しています。
よくある質問
サーモバリアフィットはどのような設備に施工できますか?
溶解炉、焼成炉、乾燥炉、ボイラー、蒸気配管、ダクト、熱交換器など、高温設備への施工に対応しています。施工できるかどうかは設備の形状や使用環境によって異なるため、事前の現地調査をおすすめします。
断熱材との違いは何ですか?
一般的な断熱材は、熱の伝導を抑えることを目的としています。
一方、サーモバリアフィットは、高純度アルミ箔によって輻射熱の伝達を抑えることを目的とした遮熱シートです。
それぞれ役割が異なるため、設備や課題に応じて使い分けることが重要です。
工場を稼働したまま施工できますか?
施工内容や現場の状況によって異なります。
工場の稼働への影響を考慮しながら施工計画を立てることが可能な場合もありますので、詳しくはご相談ください。
サーモバリアフィットはどのくらいの厚さですか?
メーカー公表値では、厚さは約0.17~0.20mmです。
薄型で柔軟性があるため、設備や配管などにも施工しやすい仕様となっています。
まとめ
サーモバリアフィットは、高温設備から放射される輻射熱の伝達を抑えることを目的とした遮熱シートです。
設備や配管、ダクトなどへ施工しやすい薄型構造を採用しており、設備周辺の暑さ対策の一つとして活用されています。
ただし、導入効果は設備の種類や温度、施工方法などによって異なるため、「どの設備に施工するか」「どのような課題を改善したいか」を踏まえて検討することが重要です。
メタルテック飯田では、現地調査を行い、設備の状況や施工環境を確認したうえで、お客様の現場に適した施工方法をご提案しています。設備からの輻射熱対策をご検討中の方は、まずはお気軽にご相談ください。
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