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技術紹介 2026.10.27

工場の屋根改修・暑さ対策に補助金は使える?遮熱・断熱工事の対象条件と確認ポイント

記事更新日:2026年10月20日


工場の屋根の老朽化や、夏場の暑さ・冬場の寒さにお悩みの方は多いのではないでしょうか。

「屋根の雨漏りを修理したい」「屋根の改修とあわせて暑さ対策もしたい」「工事費用に補助金を活用できないだろうか」と考える工場経営者や施設管理者もかなりいらっしゃいます。

工場の屋根は面積が広く、夏場は日射によって屋根表面が高温になることがあります。特に断熱性能が不十分な建物では、屋根から室内に伝わる熱が、作業環境や冷房負荷に影響する場合があります。

こうした課題に対して、屋根の修繕とあわせて遮熱・断熱性能を見直すことは、建物の維持管理と暑さ対策を両立させる選択肢の一つです。

また、工事内容や所在地によっては、国や自治体の補助金を活用できる可能性があります。

ただ、屋根の補修・遮熱塗装・断熱改修が、すべて同じ条件で補助対象になるわけではありません。

本記事では、工場の屋根改修や暑さ対策に関する補助金の考え方、全国の自治体における制度例、申請前の確認ポイントをわかりやすく解説します。

 

工場の屋根改修や暑さ対策に補助金は使える?

工場の屋根工事に補助金を活用できるかどうかは、制度の目的と工事内容によって異なります。

特に注意したいのは、屋根の老朽化に伴う補修と、省エネルギーや暑さ対策を目的とする改修では、補助金の扱いが異なることです。
 

屋根の老朽化による補修・改修にも補助金は使える?

工場の屋根の雨漏り補修や葺き替え、屋根カバー工法などについても、自治体の補助金制度によっては対象となる可能性があります。

例えば、事業所の施設改修や設備投資を支援する制度では、建物の改修工事が対象経費に含まれる場合があります。

ただし、一般的な老朽化修繕を対象外とする制度もあるため、屋根の修繕工事が補助対象として認められるかを個別に確認する必要があります。

一方、遮熱塗装や断熱材の設置など、暑さ対策や省エネルギーを目的とする工事は、自治体の暑熱対策支援制度などで対象となる場合があります。

そのため、工場の屋根改修を検討する際には、次の2つの観点から補助金を探すことが重要です。

  • 屋根の補修・改修を支援する制度: 老朽化した建物の改修や事業所の施設整備などを対象とするもの

  • 屋根の暑さ対策を支援する制度: 遮熱塗装や断熱材の設置などを対象とするもの

工事の目的によって利用できる制度が異なるため、屋根の状態と必要な施工内容を整理したうえで確認しましょう。
 

屋根工事の種類によって補助金の対象範囲は異なる

屋根工事には、雨漏りの修理、屋根材の交換、遮熱塗装、断熱材の設置など、さまざまな方法があります。

工事内容

主な目的

補助金の確認ポイント

雨漏り補修

防水性能の回復

一般的な修繕費が対象か

屋根の葺き替え

老朽化した屋根の更新

屋根材の交換が対象か

屋根カバー工法

既存屋根の改修

施設改修や断熱改修の対象となるか

遮熱塗装・遮熱材施工

日射による熱の影響を軽減

遮熱工事が対象として明記されているか

屋根の断熱改修

屋根を通じた熱移動の抑制

断熱材や施工費が対象か

 

例えば、暑さ対策を支援する補助金では、屋根の遮熱塗装が対象でも、雨漏り修理や屋根材の交換は対象外となる場合があります。

また、屋根カバー工法に断熱材を組み合わせる場合でも、工事費用のすべてが補助対象になるとは限りません。

そのため、屋根改修全体の費用に補助金を利用できると考えるのではなく、どの工事が補助対象となり、どの費用が自己負担になるのかを確認することが重要です。

遮熱と断熱では期待できる効果も異なる

工場の暑さ対策として検討される遮熱と断熱は、熱の移動を抑える仕組みが異なります。

遮熱は、主に日射や放射による熱の移動を抑える対策です。屋根の遮熱塗装などは、夏季の日射による屋根の温度上昇を軽減する目的で使用されます。

断熱は、屋根などを通じて熱が移動するのを抑える対策です。夏の熱の侵入だけでなく、冬の室内から屋外への熱損失を抑える効果も期待できます。

ただし、遮熱塗装は冬季の日射による熱取得も減らす場合があります。

工場の稼働状況や空調の使用状況に応じて、年間を通じた効果を考えることが大切です。

 

2026年に確認したい国の省エネ関連補助金

国では、工場や事業場の省エネルギー化を支援する補助金制度が設けられています。

代表的な制度の一つが、一般社団法人環境共創イニシアチブ(SII)が案内する「省エネ・非化石転換補助金」です。

工場・事業場型の補助金

工場・事業場型は、工場や事業場における省エネルギー化などを目的とした設備投資を支援する制度です。

2026年の3次公募は9月28日に終了し、4次公募は10月5日から10月30日までの日程で案内されています。

ただし、工場・事業場型の補助金で、一般的な屋根の断熱改修費用が対象になるかどうかは確認が必要です。

省エネルギー効果が期待できる工事であっても、制度で認められた設備・経費に該当するとは限りません。

詳しくは、SII「省エネ・非化石転換補助金(工場・事業場型)公募情報」をご確認ください。
 

設備単位型の補助金

設備単位型は、指定された高効率設備などの導入を支援する制度です。

主に空調設備や産業用設備などの更新を検討する際の選択肢となります。

一方、一般的な屋根の遮熱塗装や断熱改修は、指定設備の導入とは異なるため、屋根工事単独での利用を前提としないことが重要です。
 

建物全体の省エネ改修やZEB化を支援する制度

屋根単独の工事ではなく、建物全体の省エネルギー改修の一部として、断熱性能の改善を検討する方法もあります。

その一つがZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)化です。

ZEBとは、省エネルギーと太陽光発電などを組み合わせ、建物で消費するエネルギーの収支を正味ゼロに近づけることを目指す建築物のことです。

詳しくは、環境省「ZEB PORTAL」をご覧ください。

なお、工場がZEB関連補助金の対象となるか、屋根の断熱工事費が対象経費に含まれるかは、制度や建物の条件によって異なります。

 

全国の自治体で実施されている屋根の暑さ対策補助金の例

国の制度とは別に、自治体が工場の暑さ対策を支援する補助金を設けている場合があります。

特に、工場の屋根や外壁への遮熱・断熱工事を対象としている制度は、屋根改修を検討する際の参考になります。

以下は、全国の自治体で公表されている制度の一例です。

自治体

補助金制度

屋根工事との関係

新潟県燕市

工場等暑熱対策総合支援補助金

工場・倉庫の屋根や壁の遮熱・断熱工事を支援

新潟県三条市

工場等遮熱断熱促進補助金

工場・倉庫等の遮熱・断熱工事を支援

長野県飯田市

製造現場環境改善事業補助金

製造現場の断熱・遮熱改修などを支援

山形県山形市

建築物遮熱・断熱対策事業費補助金

事業用建築物を含む屋根などの遮熱・断熱対策を支援

長崎県長崎市

職場環境改善事業費補助金

工場の屋根・壁面の遮熱・断熱工事を支援

 

※上記は2026年度に公表された制度の例です。全国の制度を網羅した一覧ではありません。また、受付終了や予算上限による締切の可能性があります。

例えば、長崎市の制度では、屋根・壁面の遮熱・断熱工事が対象となる一方、屋根の張り替えや防水などの修復工事は対象外とされています。

このように、暑さ対策に補助金が使えても、屋根の補修費用まで対象になるとは限りません。

また、補助金は原則として対象自治体内の事業者や施設に限られます。

工場が所在する都道府県や市区町村の公式サイトで、最新の制度を確認することが大切です。

 

補助金を申請する前に確認したい5つのポイント

工場の屋根改修に補助金を活用する場合、制度の名称だけでなく、申請条件や工事の進め方を確認する必要があります。
 

1. 自社と工場が補助対象に該当するか

補助金には、対象となる業種や企業規模、所在地などの条件があります。

例えば、製造業に限定される制度もあれば、倉庫業や建設業などを対象に含む制度もあります。

また、工場を所有している企業と使用している企業が異なる場合には、建物所有者の承諾などが必要になることもあります。
 

2. 屋根の補修費と熱対策費のどちらが対象か

屋根改修では、雨漏り補修、屋根材の交換、遮熱塗装、断熱材の設置など、複数の工事を組み合わせる場合があります。

しかし、補助金制度によっては、そのうち一部の工事費しか対象にならないことがあります。

例えば、遮熱塗装の費用は対象でも、老朽化した屋根材の交換費用は対象外となるケースです。

そのため、見積もりを取得する際には、工事内容ごとの費用が分かるようにしておくことが重要です。
 

3. 契約・発注・着工のタイミングに問題がないか

補助金制度では、原則として交付決定前の契約や発注が制限される場合があります。

また、着工時期についても条件が設けられていることがあります。

ただし、自治体によっては、所定の手続きを経ることで早期着手が認められる制度もあります。

契約・発注と着工の条件は必ずしも同じではないため、工事を進める前に最新の公募要領や事務局へ確認しましょう。
 

4. 相見積もりや必要書類を準備できるか

補助金制度によっては、複数の施工会社から見積もりを取得することが求められます。

過去のSIIの補助金では、原則3者以上への見積依頼などが必要とされた例もありますが、現在のすべての制度に同じ条件が適用されるわけではありません。

また、申請時には次のような書類が必要になる場合があります。

  • 工事の見積書や費用の内訳

  • 屋根の図面や既存建物の仕様

  • 遮熱材・断熱材の性能資料

  • 施工前の写真

  • 省エネルギー効果を示す資料

  • 相見積もりなど発注先の選定に関する資料

申請に必要な書類は制度ごとに異なるため、早めに確認しておくことが大切です。
 

5. 公募期間と予算の残額を確認する

補助金の公募期間は、制度や公募回ごとに異なります。

また、自治体の補助金には、予算上限に達した時点で受付を終了するものもあります。

2026年度の制度が存在していても、現在申請できるとは限りません。

屋根の改修を計画する際には、最新の公募要領で受付状況・対象経費・申請期限を確認することが大切です。

 

補助金の有無だけでなく、屋根の状態に合った改修方法を選ぶ

工場の屋根改修では、補助金が利用できるかどうかも重要ですが、それだけで工事内容を決めることは適切ではありません。

まずは、現在の屋根がどのような状態なのかを確認する必要があります。

老朽化が進んでいる場合は修繕の必要性を確認する

屋根にサビや腐食、雨漏りなどが発生している場合には、遮熱・断熱性能の改善よりも、屋根の防水性能や安全性の確保を優先する必要があることがあります。

例えば、既存屋根の状態によっては、部分補修だけでなく、屋根カバー工法や葺き替えなどを検討する場合があります。

ただし、どの工法が適しているかは、屋根の劣化状況や建物の構造によって異なります。
 

暑さが課題の場合は熱の入り方を確認する

工場内が暑くなる原因は、屋根から伝わる熱だけとは限りません。

生産設備からの発熱や換気の状況、外気の流入なども室内環境に影響します。

そのため、屋根の遮熱・断熱改修を検討する際には、建物の状態や工場内の使用状況を確認することが重要です。

屋根からの熱の影響が大きい場合には、適切な遮熱・断熱工事によって、夏場の温熱環境や空調負荷の改善が期待できます。
 

屋根改修と暑さ対策をまとめて検討する

屋根の老朽化が進み、近い将来に改修が必要になる場合には、暑さ対策をあわせて検討する方法もあります。

例えば、屋根カバー工法を行う際に、建物の構造や施工条件に応じて断熱材の設置を検討することが考えられます。

ただし、カバー工法そのものに一定の断熱効果が保証されているわけではありません。断熱性能は使用する材料や施工仕様によって異なります。

建物の維持管理と暑さ対策を一体的に考えることで、長期的な改修計画を立てやすくなります。

 

工場の屋根改修と補助金に関するよくある質問

Q. 工場の屋根の雨漏り修理に補助金は使えますか?

制度によって異なりますが、省エネルギーや暑さ対策を目的とした補助金では、一般的な雨漏り修理が対象外となる場合があります。

屋根の補修費用に利用できる制度を探す場合は、施設改修や事業継続支援などを対象とする自治体制度も含めて確認する必要があります。
 

Q. 工場の遮熱塗装には補助金が使えますか?

自治体によっては、工場の屋根や壁面への遮熱塗装を対象とする補助金が設けられています。

ただし、対象となる塗料の性能や施工範囲、申請者の条件などが定められている場合があります。

工事前に最新の募集要項を確認しましょう。
 

Q. 屋根カバー工法は補助金の対象になりますか?

屋根カバー工法という工事方法だけで、補助金の対象になるとは限りません。

断熱性能の改善などを目的とする場合でも、制度で認められた工事内容や経費に該当する必要があります。

また、屋根の状態によってはカバー工法が適さない場合もあるため、施工方法の検討と補助金の確認を分けて進めることが大切です。
 

Q. 補助金の申請前に屋根工事の見積もりを依頼できますか?

見積もりや現地調査は、工事内容や費用を整理するために役立ちます。

ただし、契約・発注・着工には制度ごとの制限があるため、補助金の利用を検討している場合は、その旨を施工会社に伝え、条件を確認してから工事を進めましょう。

 

まとめ|工場の屋根改修は補助金の確認と現状調査から

工場の屋根改修や暑さ対策では、工事内容や所在地によって補助金を活用できる可能性があります。

特に自治体によっては、工場の屋根や壁面への遮熱・断熱工事を対象とする制度が設けられています。

ただし、遮熱・断熱工事が対象であっても、雨漏り補修や屋根材の交換費用まで対象になるとは限りません。

また、補助金には対象事業者や工事内容、申請時期などの条件があり、受付状況も変わります。

そのため、補助金を検討する際には、最新の公募要領を確認するとともに、建物の状態に合った改修方法を選ぶことが重要です。

メタルテック飯田では、建築板金の専門業者として、工場・倉庫の屋根改修や遮熱・断熱工事に関するご相談を承っています。

工場の屋根の老朽化や夏場の暑さにお悩みの場合は、まずは屋根の状態を確認し、目的に合った改修方法を検討してみてはいかがでしょうか。

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